税理士法人森田事務所 > 記事一覧 > 相続税申告を自分でする場合の注意点とは
相続税の申告は複雑そうですが、税理士等に依頼せずに自分で行う場合にはどのような点を注意すればいいのでしょうか。
相続税申告を自分でする場合のリスクやメリットなどを解説いたします。
相続税というのは、亡くなった人の財産を相続したときに発生する税金のことを言います。
相続税は期限までに納税しなければならず、そのために相続税の申告を行います。
ただし、遺産を相続したからといって必ずしも相続税申告が必要となるわけではありません。
遺産総額が、基礎控除額以下であった場合には相続税額申告は不要です。
基礎控除額は、3,000万円+(法定相続人の数×600万)で計算されます。
ほかにも申告は必要のないケースがいくつかありますが、自分で相続税申告を行う場合には見極めが必要となります。
相続税申告を自分で行うことはできます。
ただし専門的な知識や複雑な処理、手間などがかかってしまうため、実際に自分で行っている人が少ないのは確かです。
また相続税申告には期限があり、タイムリミットまでに手続きを行う必要があったり、申告ミスなどのリスクがあったりして対応しにくいというのも難点ではあります。
相続税申告を税理士等に頼らずに自分で行うにはリスクが伴いますが、自分で行うことを検討してもいいケースがあります。
次の3つの条件であれば自分で行っても問題は少ないため、検討してみてもいいでしょう。
相続人が1人しかいない場合には、自分で相続税申告を行ってもリスクは少なくて済みます。
相続人が複数人いると相続財産の分割のために、遺産分割協議を行わなければいけません。
相続人全員が納得し承認されるまでは申告ができず、相続人以同士でトラブルが起こる可能性も高くなります。
また相続人が1人であれば相続財産を分割する必要がありません。
取得割合に応じた納税額の計算も不要なため、相続税は比較的簡単に計算ができます。
相続する対象の財産が比較的簡単に計算できるものであれば、自分で相続税申告を行ってみてもいいでしょう。
相続財産から相続税評価額を計算するためには、それぞれの財産の種類ごとに割り出す必要があります。
不動産などの財産は評価方法が複雑であるため自分で行うのは困難ですが、現金や預貯金などはそのままの金額が評価額となるので簡単です。
相続税申告にはさまざまな準備や手続きが必要で、そのためには相続税申告に費やす自分の時間を十分に確保しておくことが必要です。
被相続人が亡くなったことを知った日から10か月という猶予はありますが、長いようでかなり短いと感じることになります。
とくに相続人が複数いる場合などは、ほかの人の意見に迷ったりトラブルなどの間に時間は瞬く間に過ぎ去ってしまいます。
相続税申告を自分で行うことで、注意しなければいけないのは次の通りです。
相続税申告は期限があることと手続きが煩雑であることにより、単純なミスも起こりやすく、それが致命的になってしまうこともあります。
また、申告漏れや金額のミスなど、故意でなくてもペナルティは科せられてしまいます。
相続税申告を自分で行うことのメリットは、税理士等に依頼しないことで費用が一切必要ないところにあります。
税理士の報酬額の相場は遺産相続の0.5~1.0%程度です。
相続する遺産が多ければ多いほど報酬費用は増加するので、金額だけをみればかなりメリットがあると言えます。
相続税申告は必ずしも税理士等に依頼して行ってもらわなくてもよく、自分で行うことは可能ですが準備や手続きはかなり複雑です。
とくに以下のような状況の場合には税理士等に相談することをおすすめします。
相続は金額が多額にあることが多くトラブルになりやすいため、自分だけで行うよりも第三者に間に入ってもらうことで緩和されます。
相続税申告は確定申告のように定期的に行うものではありません。
扱う金額も高く、専門的な知識も必要です。
評価する相続財産が単純であったり、相続人が自分1人であったとしてもイレギュラーな事態が起こるとも限りません。
それぞれの事情によって相続税申告も考えるべきであり、そういった意味では専門家である
税理士等に相談することが望ましいと言えます。