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遺贈とは?相続との違いも併せて解説

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遺産を引き継ぐ方法として相続と遺贈があります。
相続は民法で定められた身分関係に基づいて財産を承継する制度である一方、遺贈は遺言によって特定の相手に財産を譲渡する制度です。
本記事では、遺贈の基本的な仕組みと相続との違い、遺贈の種類について解説します。

 

遺贈とは

遺贈とは、遺言者が遺言書によって自分の財産を特定の人に無償で譲渡する制度です。
民法第964条から第1027条までの遺言に関する規定の中で遺贈について定められており、遺言者の意思に基づいて財産を承継させることができます。
遺贈を受ける人を受遺者と呼び、受遺者は相続人である必要はなく、親族以外の第三者や法人も含まれます。
遺贈が有効となるためには、適式な遺言書の作成が必要です。
自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のいずれかの方式で作成する必要があります。
相続人以外の人に財産を残したい場合や、特定の財産を特定の人に確実に渡したい場合に活用されます。

 

相続と遺贈の違い

相続と遺贈は財産を引き継ぐ制度という点では共通していますが、その根拠や対象者には大きな違いがあります。

 

承継の根拠

相続は民法で定められた相続人が、被相続人の死亡により当然に財産を承継する制度です。
配偶者、子、父母、兄弟姉妹などの身分関係に基づいて自動的に発生するため、遺言書がなくても成立します。
法定相続人は民法第887条、第889条、第890条で明確に定められており、その範囲と順位も法律で決まっています。
一方、遺贈は遺言者の意思表示によって初めて効力を生じるため、必ず遺言書が必要です。

 

財産を受け取る人の範囲

相続では財産を受け取れるのは法定相続人に限られます。
対して遺贈では相続人以外の第三者、友人、内縁の配偶者、法人なども受遺者になることができます。
遺言者が財産を譲りたいと考える相手であれば、基本的に誰でも受遺者として指定することが可能です。
また、相続人に対しても遺贈を行うことが可能であり、法定相続分とは別に特定の財産を与えることができます。

 

特定遺贈とは

遺贈には大きく分けて特定遺贈と包括遺贈の2種類があります。

 

特定遺贈の定義

特定遺贈とは、遺言者が特定の財産を具体的に指定して与える遺贈です。
自宅の土地建物を甲に遺贈する、◯◯銀行の預金を乙に遺贈するといったように、財産を個別に特定します。
民法第986条により、受遺者は遺贈の放棄も可能です。
放棄する場合は相続人に対してその意思を表示すればよく、家庭裁判所での手続きは不要とされています。

 

特定遺贈の法的効果

特定遺贈では、指定された特定の財産のみが受遺者に移転します。
原則として被相続人の債務を承継する必要はなく、プラスの財産のみを受け取ることができます。
不動産を特定遺贈する場合、所有権移転登記には相続人全員または遺言執行者の協力が必要となります。
登記手続きにおいては、受遺者と相続人の共同申請が原則となるため、相続人との関係が円滑でない場合は手続きに時間がかかる可能性があります。

 

包括遺贈とは

包括遺贈は特定遺贈とは異なる性質を持つため、注意が必要です。

 

包括遺贈の定義

包括遺贈とは、遺産全体に対する割合を指定して与える遺贈です。
全財産の3分の1を甲に遺贈するといったように、具体的な財産を特定せず、遺産の一定割合を承継させます。
民法第990条により、包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有します。
これは包括受遺者が相続人と同じ立場になることを意味し、遺産分割協議にも参加する権利と義務が生じます。

 

包括遺贈の法的効果

包括受遺者は相続人と同様に、プラスの財産だけでなく債務も割合に応じて承継します。
そのため被相続人に多額の債務がある場合、包括受遺者も債務を負担するリスクがあります。
包括遺贈を放棄する場合は、相続放棄と同様に家庭裁判所での手続きが必要です。
民法第990条により包括受遺者には相続人と同一の権利義務があるため、第915条第1項が準用され、自己のために包括遺贈があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。
この期間を過ぎると放棄できなくなるため、包括遺贈を受けた場合は速やかに財産状況を確認することが重要です。

 

まとめ

遺贈は遺言によって財産を特定の人に譲渡する制度であり、身分関係に基づく相続とは異なります。
相続が法定相続人に対して当然に発生するのに対し、遺贈は遺言者の意思によって相続人以外の第三者にも財産を残すことができます。
遺贈には特定遺贈と包括遺贈の2種類があり、それぞれ法的効果が異なります。
特定遺贈は具体的な財産を指定して与えるもので、原則として債務を承継しません。
包括遺贈は遺産の割合を指定して与えるもので、受遺者は相続人と同様に債務も承継するため注意が必要です。
遺贈を活用することで、相続人以外の人に財産を残したり、特定の財産を確実に承継させることが可能になります。
ただし、遺留分への配慮や税務上の取り扱いなど注意すべき点も多くあります。
遺贈を検討される際は、相続税の課税関係や遺言書の作成方法についても正確な理解が必要です。
そのため、具体的な手続きを進める際は、税理士などの専門家に相談しながら検討することが重要です。