税理士法人森田事務所

相続手続は、亡くなった方の遺産を法的に引き継ぐための重要なプロセスです。
このプロセスは、多くの人にとって複雑で困難なものであり、正しい知識と手順の理解が不可欠です。
本稿では、相続手続の基本から、適切な流れ、そしてスムーズに進めるためのポイントについて、分かりやすく解説します。
相続手続をこれから始める方、または途中で立ち止まってしまった方へ向けて、専門的な知識と支援を提供し、相続プロセスを安心して進めるためのガイドをお届けします。

 

相続手続の初期段階

相続手続が始まると、遺族はさまざまな感情の中で多くの決定を迫られます。
この過程をスムーズに進めるためには、相続手続の初期段階での正確な対応が非常に重要です。
税理士法人森田事務所では、相続が発生した際にすぐに行うべき、相続人の特定と必要書類の収集についてご案内します。
この段階での丁寧な対応が、後のプロセスを円滑に進めるための基盤となります。

 

相続人の特定

相続手続の最初のステップは、誰が相続人であるかを特定することから始まります。
相続人には、法律で定められた「法定相続人」と、故人が遺言で指名した「指定相続人」がいます。
この特定作業には、故人の戸籍謄本や、必要に応じて家系図などの公的書類が必要となります。これらの書類を通じて、相続人とその相続順位を明確にし、相続の基盤を固めます。

 

必要書類の収集

相続手続には、戸籍謄本のほかにも多くの書類が必要となります。
不動産の登記簿謄本、預貯金の残高証明書、株式や保険の証券など、故人名義の資産に関するあらゆる書類を収集します。
これらの書類は、相続税申告や遺産分割協議を進める上で不可欠です。早期にこれらの書類を整えることで、手続の遅延を防ぎ、相続プロセスを効率的に進めることが可能になります。

 

相続税の申告

相続が発生すると、多くの責任とともに、相続税申告の義務も発生します。この手続は、相続発生から10ヶ月以内に完了させる必要があり、適切な評価と申告が求められるため、注意が必要です。
税理士法人森田事務所では、相続税申告のプロセスを詳しく解説し、適切な準備と計算、納税の方法についてご案内します。

 

相続税申告の準備

相続税申告を行うには、まず故人が残した遺産を詳細にリストアップし、それぞれの資産について正確な評価を行う必要があります。
不動産、預貯金、株式、生命保険金など、遺産の種類によって評価方法は異なります。
特に、不動産の評価には市場価値や固定資産税評価額など、複数の要素が考慮されるため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

また、相続税の特例や遺産の分割方法によって相続税額が変わることが多々あります。遺産の正確な評価は、適切な相続税額の計算に直結するため、専門家の意見を積極的に取り入れましょう。

 

相続税の計算と納税

相続税の計算は、まず遺産総額から法定の基礎控除額(現在は3,000万円+法定相続人数×600万円)を差し引き、残額に対して適用される税率を乗じて行います。
相続税率は遺産の総額によって変動し、納税額を決定します。
相続税の納税は、申告と同時に必要となりますが、納税猶予制度の利用により、税額の一部または全部を後払いにすることが可能です。
納税猶予制度は、特定の要件を満たす場合に利用できるため、事前に専門家に相談し、自身の状況に合った最適な納税方法を検討しましょう。

 

相続トラブルの回避

相続プロセスにおいては、時に遺産分割を巡るトラブルが生じることがあります。
これらのトラブルを未然に防ぐためには、相続人間での効果的なコミュニケーションが極めて重要です。
税理士法人森田事務所では、相続トラブルを回避し、円滑な相続手続を進めるための重要なステップについて解説します。

 

遺産分割協議

相続における最も重要なステップの一つが遺産分割協議です。
この協議では、相続人全員が集まり、遺産の分割方法について話し合います。
この過程で最も大切なのは、遺産を公平に分割する方法を見つけること、そして各相続人の意向や希望を尊重し合うことです。
事前に各相続人の期待や要望を明確にし、オープンなコミュニケーションを心がけることが、トラブルを避ける鍵となります。

 

専門家によるサポート

遺産分割協議が難航する場合や、相続税計算について不明点がある場合は、専門家のサポートを求めることが賢明です。
税理士法人森田事務所では、相続に関する幅広い相談に対応し、法律的なアドバイスやサポートを提供しています。
専門家に相談することで、遺産分割協議の進め方や相続税申告の詳細について、正確で信頼性の高い情報を得ることができます。
これにより、合意に至らない状況を打開し、全ての当事者にとって納得のいく解決策を見つけ出すことが可能になります。

 

まとめ

相続手続は、相続人の特定から始まり、相続税の申告、遺産分割協議といった複数のステップを含む複雑なプロセスです。
適切な準備と、必要に応じた専門家からのアドバイスを受けることで、スムーズに進めることが可能です。

税理士法人森田事務所は、相続に関するさまざまな問題に対して専門的なサポートを提供し、皆様の相続手続を全力でサポートします。
相続トラブルを回避し、平和的で公正な遺産分割を目指すことが、遺された家族にとって最良の選択です。

家族や親族が亡くなるというのは喪失感が大きく、しばらくの間は通常の生活に戻るのも難しいかと思います。
しかし、こうした中でも適切に処理する必要があるのが遺産相続に関してです。
この記事では遺産相続の基本となる相続人の範囲やその順位、また遺産分割割合などに関して簡単に解説していきたいと思います。

 

遺産相続人と相続順位

家族や親族が亡くなった場合に発生する相続権は、法に定められた順位によって決定します。
この順位に関して、まずは説明していきます。

 

配偶者は常に相続権を持つ

亡くなった方に配偶者がいる場合、配偶者は順位に関係なく常に相続権を有します。
ただしこの場合の配偶者は、戸籍上の配偶者となり、内縁関係の配偶者には相続権はありません。

 

相続順位1位:子(直系卑属)

亡くなった方の配偶者以外に相続権を持つ方には順位が決められており、この順位に沿って相続人が決定します。

相続順位1位が直系卑属、つまり亡くなった方の子です。
子が3人いれば3人すべてが相続権を持ちます。
仮に子がすでに亡くなっており、その子の子、つまり亡くなった方の孫がいる場合、相続権は孫に引き継がれます。
再婚相手の連れ子と養子縁組をしているケースもあるかと思いますが、子が養子である場合は少々複雑になります。
養子にも原則相続権は発生します。
ただし、相続税の基礎控除の計算では、法定相続人の実子の有無などで人数が変わるため、詳細は税の専門家である税理士に相談するのがおすすめです。

 

相続順位2位:親(直系尊属)

直系卑属に続く順位になるのが直系尊属、つまり亡くなった方の両親です。
両親がすでに亡くなっており、被相続人の祖父母が存命の場合には、相続権は遡って適用されます。
被相続人が養子の場合でも、法律上の親子関係が否定されることにはならないので相続権は生じます。
また普通養子縁組の場合、養親だけでなく実親も相続人の対象となります。
特別養子縁組の場合には、実親と法律上の親子関係ではないため、養親のみが相続人になります。

 

相続順位3位:兄弟・姉妹

相続順位3位が兄弟・姉妹です。亡くなった方の兄弟・姉妹が亡くなっている場合、子のケース同様、その子たち、つまり亡くなった方の甥姪に相続権は引き継がれます。

 

相続順位が上位の相続人がいる場合下位に相続人にならない

相続権は、基本的に相続順位が上位の相続人が存在する場合、下位の相続順位にあたる方に相続権は発生しません。
例えば亡くなった方(被相続人)に子がいる場合、その子が相続人となります。
被相続人に相続順位2、3位である親や兄弟姉妹がいたとしても、相続人にはなりません。
相続順位が下位の方が相続人になるケースとしては、上位の者がいなかったり、いた場合でも相続放棄をしていたときが考えられます。
なお配偶者に関しては、相続順位と関係なく必ず相続人になれますので、配偶者の有無は相続順位に影響を与えません。

 

相続割合の考え方

各相続人の遺産の分配は、まず遺言書の有無によって異なります。
被相続人が遺言書に誰にどのような遺産を残すか指定されている場合には、基本的に遺言書の記載通り分割します。
遺言書がない場合、相続人全員で話し合う遺産分割協議を行い、割合を決めます。
相続人全員が合意すれば、遺産の分け方はどのような分け方でも問題ありませんが、ひとつの指標として法定相続分というものがあります。
被相続人の続柄などによって異なりますので説明していきたいと思います。

 

基本的なケース

まずは基本的なケースです。
原則として配偶者がいる場合、配偶者の相続割合が最も大きくなります。
配偶者の割合が決定したら、残りを法定相続人で均等割りするのが相続割合の考え方です。

・相続人が配偶者+子の場合 → 配偶者 1/2・子 1/2

・相続人が配偶者+親の場合 → 配偶者 2/3・親 1/3

・相続人が配偶者+兄弟姉妹の場合 → 配偶者 3/4・兄弟姉妹 1/4

・相続人が配偶者のみの場合 → 配偶者 全額

例えば相続人が配偶者と子2人の場合、配偶者が1/2、子がそれぞれ1/4となります。
配偶者+兄弟姉妹4人というケースでは、配偶者3/4、兄弟姉妹がそれぞれ1/16ずつです。

 

相続放棄する相続人がいるケース

遺産相続は相続放棄も可能です。相続放棄は相続人個々が決めることができ、相続人全員が放棄をすれば、遺産全額の相続が放棄されます。
相続する財産が負債の方が大きい場合などは、相続人全員が相続放棄することで、負債の返済を相続しないという選択もあります。
相続放棄した場合、その相続人は関しては、最初から存在しなかったものとし、相続割合の計算から除外して考えます。
例えば配偶者と子2人が法定相続人で、子のうち1人が相続放棄をした場合、相続割合は配偶者が1/2、子が1/2ということになります。
子が全員相続放棄をしたとしても、相続権は相続順位2位の親に移ることになります。

 

まとめ

家族がなくなった場合、問題となるケースが多いのが遺産相続です。
特に亡くなった方の遺産が大きい場合、もしくは法定相続人の関係が複雑なケースなどでは、誰が法定相続人で、どの程度の割合になるのかなどが問題となるケースが多いようです。
また、相続する金額によっては、当然相続税も発生しますので、この相続税に関しても一般の方では対応が難しいと思われます。

遺産相続の件で分からないことがある場合、放置すると大変なことになるケースもあります。
分からない部分がある場合は、相続や税の専門家である税理士に相談し、適切に相続ができるようにするのがおすすめです。

相続税の税率は取得する遺産額に応じて10〜55%と大きく違います。
また同じ遺産額であっても、一人で相続する場合と複数人で相続する場合では、納めるべき相続税の総額が変わる事もあります。
この記事では、複雑な相続税の税率と計算方法について細かく解説していきましょう。

 

相続税の税率について

相続税は取得する遺産の額が増えるほど、税率が高く設定されている累進課税です。
相続税の計算には、国税庁が示している速算表を使用する事が一般的です。

 

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% -
1,000万円超から3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超から5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超から1億円以下 30% 700万円
1億円超から2億円以下 40% 1,700万円
2億円超から3億円以下 45% 2,700万円
3億円超から6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

出典 国税庁 No.4155 相続税の税率

たとえば、法定相続分に応じた取得金額が4,000万円だった場合を考えてみましょう。
税額の計算は速算表にある税率と控除額を用いて以下のようになります。

4,000万円×20%-200万円=600万円

相続税の額は600万円です。

 

具体的な計算方法について

相続税の額は法定相続分に応じて決められます。
法定相続分とは、遺産の分割割合を法で定めたものの事です。
法定相続分をもちいた相続税の計算の流れは次のとおりです。

では具体的にみていきましょう。

 

遺産の合計金額を求める

相続税の計算を行うには、まず遺産の合計金額を求める必要があります。
相続税の課税対象の財産として主に次のような物が考えられます。

 

現金や預金、株など

現金や預金などのプラスの財産と、債務などのマイナスの財産を合算して、遺産の総額を求めます。
亡くなった日からさかのぼって3年以内に生前贈与をされている場合、その財産が相続税の課税価格に加算される場合があります。
加算される範囲の判断は複雑ですので、専門家に相談すると良いでしょう。

 

不動産

不動産の価値は路線価や固定資産税評価額によって評価します。
一定の要件を満たす場合に特例の適応となる事がありますので、評価の際には専門家へ相談すると安心です。

 

課税対象になる遺産総額を求める

求めた遺産の総額から基礎控除を差し引き、課税対象になる遺産の総額を求めます。

基礎控除額は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算します。
基礎控除額を引いた後の遺産総額がマイナスになるようであれば、納税の必要はありません。

法定相続人とは民法で定められた相続人であり、配偶者の他に子、親、兄弟のことです。
配偶者以外の相続人には順位があり、子がいる場合には子が法定相続人となります。
子がいない場合は親、親もいない場合には亡くなった方の兄弟姉妹が法定相続人になります。

 

法定相続分に応じて相続税額を算出する

課税遺産総額を法で定められた分割割合どおりに相続人に分けると仮定して、相続税額を算出します。

これは相続税額を算出するための計算であり、実際の相続割合と異なっていても構いません。
法で定められた遺産の分割割合を法定相続分と言い、配偶者とその他の法定相続人との組み合わせによって割合が変わります。
配偶者がいない場合は配偶者以外の法定相続人で均等に遺産を分割しますが、配偶者がいる場合の割合は以下のとおりです。

このとき子や親、兄弟が複数人いる場合は、それぞれの相続分をさらに人数で割って一人当たりの金額を求めます。
求めた金額を速算表に当てはめ、各相続人の税額をそれぞれ算出します。

 

相続税の総額を求め、各相続人の納付額を算出する

先ほど求めた各相続人の税額を合算したものが、納税する相続税の総額です。
あとは実際に相続した遺産の割合に応じて相続税の総額を分割し、各相続人の納付額を算出します。

算出した相続税額について配偶者や未成年、障害者などの控除を受けられる場合もありますので、詳しくは税理士にご相談ください。

 

まとめ

今回は相続税の税率と計算方法について解説いたしました。
相続税の税率は遺産総額や法定相続人の数に左右されるうえ、10~55%と大きな差があります。
また実際に相続した金額ではなく、法定相続分に応じた取得額で計算するため、計算が複雑です。

納税額に間違いがあった場合には、ペナルティが課せられる可能性もあります。
相続税の計算に不安がある場合には弁護士等へご相談ください。

相続税の申告は複雑そうですが、税理士等に依頼せずに自分で行う場合にはどのような点を注意すればいいのでしょうか。
相続税申告を自分でする場合のリスクやメリットなどを解説いたします。

 

相続税申告とは

相続税というのは、亡くなった人の財産を相続したときに発生する税金のことを言います。
相続税は期限までに納税しなければならず、そのために相続税の申告を行います。
ただし、遺産を相続したからといって必ずしも相続税申告が必要となるわけではありません。
遺産総額が、基礎控除額以下であった場合には相続税額申告は不要です。
基礎控除額は、3,000万円+(法定相続人の数×600万)で計算されます。
ほかにも申告は必要のないケースがいくつかありますが、自分で相続税申告を行う場合には見極めが必要となります。

 

相続税申告は自分でもできるのか

相続税申告を自分で行うことはできます。
ただし専門的な知識や複雑な処理、手間などがかかってしまうため、実際に自分で行っている人が少ないのは確かです。
また相続税申告には期限があり、タイムリミットまでに手続きを行う必要があったり、申告ミスなどのリスクがあったりして対応しにくいというのも難点ではあります。

 

相続税申告を自分で行いやすいケース

相続税申告を税理士等に頼らずに自分で行うにはリスクが伴いますが、自分で行うことを検討してもいいケースがあります。
次の3つの条件であれば自分で行っても問題は少ないため、検討してみてもいいでしょう。

 

相続人が1人しかいない

相続人が1人しかいない場合には、自分で相続税申告を行ってもリスクは少なくて済みます。
相続人が複数人いると相続財産の分割のために、遺産分割協議を行わなければいけません。
相続人全員が納得し承認されるまでは申告ができず、相続人以同士でトラブルが起こる可能性も高くなります。
また相続人が1人であれば相続財産を分割する必要がありません。
取得割合に応じた納税額の計算も不要なため、相続税は比較的簡単に計算ができます。

 

相続税の評価が簡単な資産

相続する対象の財産が比較的簡単に計算できるものであれば、自分で相続税申告を行ってみてもいいでしょう。
相続財産から相続税評価額を計算するためには、それぞれの財産の種類ごとに割り出す必要があります。
不動産などの財産は評価方法が複雑であるため自分で行うのは困難ですが、現金や預貯金などはそのままの金額が評価額となるので簡単です。

 

相続手続きを行う時間が十分確保できる

相続税申告にはさまざまな準備や手続きが必要で、そのためには相続税申告に費やす自分の時間を十分に確保しておくことが必要です。
被相続人が亡くなったことを知った日から10か月という猶予はありますが、長いようでかなり短いと感じることになります。
とくに相続人が複数いる場合などは、ほかの人の意見に迷ったりトラブルなどの間に時間は瞬く間に過ぎ去ってしまいます。

 

相続税額申告を自分で行うことの注意点

相続税申告を自分で行うことで、注意しなければいけないのは次の通りです。

 

相続税申告は期限があることと手続きが煩雑であることにより、単純なミスも起こりやすく、それが致命的になってしまうこともあります。
また、申告漏れや金額のミスなど、故意でなくてもペナルティは科せられてしまいます。

 

相続税額申告を自分で行うメリット

相続税申告を自分で行うことのメリットは、税理士等に依頼しないことで費用が一切必要ないところにあります。
税理士の報酬額の相場は遺産相続の0.5~1.0%程度です。
相続する遺産が多ければ多いほど報酬費用は増加するので、金額だけをみればかなりメリットがあると言えます。

 

相続税額申告を税理士に相談する方がいい場合

相続税申告は必ずしも税理士等に依頼して行ってもらわなくてもよく、自分で行うことは可能ですが準備や手続きはかなり複雑です。
とくに以下のような状況の場合には税理士等に相談することをおすすめします。

相続は金額が多額にあることが多くトラブルになりやすいため、自分だけで行うよりも第三者に間に入ってもらうことで緩和されます。

 

まとめ

相続税申告は確定申告のように定期的に行うものではありません。
扱う金額も高く、専門的な知識も必要です。
評価する相続財産が単純であったり、相続人が自分1人であったとしてもイレギュラーな事態が起こるとも限りません。

それぞれの事情によって相続税申告も考えるべきであり、そういった意味では専門家である
税理士等に相談することが望ましいと言えます。

 

相続税申告を自ら行った場合、遺産の見落としや不動産の不適切な評価ミスが起こりやすいです。
この記事では、相続税申告を税理士に依頼するメリットについて解説します。

 

相続税申告を税理士に依頼した際のメリット

相続税申告は自ら行うことも可能ですが、税理士に依頼すれば以下のメリットがあります。

 

遺族が亡くなった心労を軽減できる

遺族が亡くなった悲しみで心労がたまると精神的なストレスで体調を崩す方もいます。
その状況で相続税に関する手続きなどをミスなく行うことはとても大変な作業です。
税理士に依頼すれば、手続きに関する書類収集から申請書の書き方までサポートしてもらえるので衰弱している精神面などを軽減できます。

 

手続きがスムーズに行える

相続税を専門にしている税理士は普段から手続きには慣れており、相続税申告に必要な書類はどこに行けばもらえるとか、申請書の書き方などを熟知しています。
そのため、申請書の複雑な書き方にも適切にサポートしてもらえるため、記入ミスや記載漏れを防げます。
税理士に依頼すれば、申告期限までのスケジュールを立てるので遅延なく手続きがスムーズに行えます。

 

相続税の申告書作成に関する手間が省ける

相続税の申告には期限があり、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内に申告しなければならないと法律で定められています。
そのため、10カ月の間に遺産分割協議を行い、自分に必要な書類を調べてから各取得場所に書類を取りに行かなればなりません。
人によっては仕事を休んで対応する場合もあり、書類収集だけでも手間と時間がかかりますが、税理士に依頼すればそういった作業を一任できるので手間と時間を省けます。

 

相続財産を適正に評価してもらえる

相続財産には現金や不動産などがあり、自分で不動産の評価を算出する場合には見落としや計算ミスなどに気付かないまま申告すると相続税を多く払う可能性があります。
不動産を含めた相続財産の評価を税理士に依頼すれば、実際に現地調査や現物を確認した上で適正に評価してもらえます。
そのため、相続財産の評価額が基礎控除額より少なければ申告しなくてもよいので節税できる可能性があります。

 

税額算定が適正である

相続税の申告額は、すべての相続財産を評価した金額を基に算出されます。
そこで過少申告が発覚すると追加の相続税とは別に延滞税や加算税といった罰則が科せられます。
また、相続税を過剰に納めても、税務署の担当者から「多いですよ」と言われることはありません。
税理士に依頼すれば、適正に評価してもらえるので過少申告や過剰納付を未然に防いでもらえます。

 

税務調査の対象になる確率が下がる

税務調査は「会社に対して行われるもの」だとイメージしている方もいると思いますが、税務調査は個人事業主や相続税を納税した人も対象になることがあります。
また、相続税の申告書には税理士の署名欄があり、自分で申告した場合には署名欄が空白なので申告漏れの可能性が高いと判断されやすいです。
税理士は税務署から見ても適正に評価していると判断されやすいため、申告書の署名欄に署名しているだけで税務調査の対象になる確率が下がります。
ただし、確率が下がるだけで税務調査の対象から外れたわけではないので注意してください。
もし、税務調査に入られても税理士に依頼していれば、一緒に付き添ってもらえるので税務署の調査官からの質問にも適切に対応してもらえます。

 

節税対策を提案してもらえる

相続税には特例や控除が設けられていますが、適用条件が複雑で自分の場合は適用されるのか個人で判断するのは困難です。
また、法律は不定期で改正されるため、相続税に関して法改正前の知識で行動している方は損をしている可能性があります。
その点、税理士は常に法改正などの新しい情報を入手しているので、税理士に相談すれば相続税はいくら控除されるのか、特例の対象になっているのかなど適切な節税対策を提案してもらえます。

 

専門家とのつながりがある

税理士では不動産登記は行えないので、不動産登記が必要なときは司法書士、相続に関するトラブルで裁判になるようなことがあれば弁護士を紹介してもらえます。
税理士は業務範囲を超えるものに関して、いつでも専門家の力を借りられるように専門家とのつながりを大切にしています。
そのため、専門家とつながっていると自分で専門家を探す手間を省けます。

 

まとめ

今回は、相続税申告を税理士に依頼するメリットについて解説しました。
相続税の申告には相続財産に応じた書類が必要となり、書類を収集するだけでも手間と時間がかかります。
また、相続税を申告する際には、適正に評価しなければ相続税を過剰に支払うことになるので少しでも節税したいのであれば、税金の専門家でもある税理士に相談することをおすすめします。

財産には、相続の対象となる財産と、相続の対象にならない財産があることをご存じでしょうか。
相続が発生した際、どの財産が相続の対象になるのか、またどの財産が対象外なのかを理解しておくことは非常に重要です。
本記事では、相続の対象となる財産・ならない財産について、それぞれ詳しく解説します。

 

相続財産とは

相続財産とは、死亡した人(被相続人)が保有していたすべての財産を指し、相続人が引き継ぐことができるものとして民法で定められています。
相続財産は預貯金や不動産など形のあるものに限らず、権利や義務の他に、被相続人が負っていた借金などの債務も含まれます。
また、相続財産は相続人による遺産分割協議によって具体的な分配を決定します。
ただし、民法で規定されている相続財産と、相続税法で規定されている相続税の課税対象となる財産は、必ずしも一致しない点に注意が必要です。

 

相続の対象となる財産

相続の対象となる財産には、大きく分けて2つあります。

  1. プラスの財産(積極財産)
  2. マイナスの財産(消極財産)

 

1.プラスの財産(積極財産)

プラスの財産とは、預貯金や不動産などの金銭的価値のあるものに加え、借地権、損害賠償請求権など法律上の権利を含み、以下のようなものが挙げられます。

・現金、有価証券
・不動産と不動産上の権利(土地、家屋、借地権、抵当権など)
・動産(自動車、家具、宝石、骨董品など)
・その他権利(損害賠償請求権、著作権、特許権など)

 

2.マイナスの財産(消極財産)

マイナスの財産とは、借金などの負債に加えて連帯保証人としての地位など、法律上の義務も含まれており、以下のようなものがあります。

・負債(被相続人が残した借金やローンなど)
・未払いの税金(未納の所得税や住民税、固定資産税など)
・保証債務(被相続人が保証人として負っていた債務)

 

相続の対象とならない財産

一方、相続の対象とならない財産としては、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 被相続人の一身専属権
  2. 祭祀財産(墓地・仏壇など)
  3. 契約や法律に従って支払われるもの

 

1.被相続人の一身専属権

一身専属権とは、被相続人だけに認められた権利や義務、地位や資格のことを指し、個人の人格や才能、または個人としての法的地位に深く結びついているため他者に譲渡することができない権利のことを言います。
具体的には、以下のようなものが該当します。

・国家資格
・会社の役員の地位
・公営住宅の使用権

 

2.祭祀財産(墓地・仏壇など)

祭祀財産とは、墓地や墓石、仏壇や家系図などを指します。
祭祀財産は必ずしも相続人が相続するものではなく、地域や家庭内の慣習に従って決定した祭祀を主宰する者(祭祀承継者)が引き継ぐため、相続財産には含みません。
民法上、祭祀承継者の決め方には明確な規定がないため、慣習に従って決定するか、被相続人が指定している場合はその人が引き継ぐことになります。

 

3.契約や法律に従って支払われるもの

契約や法律に従って支払われるものとして、死亡退職金や生命保険金、遺族年金などがあります。
これらは、被相続人が亡くなることにより支払われるものですが、死亡退職金の場合は被相続人の勤務先から遺族に支払われます。
また、生命保険金も指定された受取人に支払われるため、相続人固有の権利とされ、相続財産とは別に扱われます。
ただし、金額によっては相続税の課税対象となる場合があるため、注意が必要です。

 

相続税の課税対象となる財産

ここまで、相続の対象となる財産・ならない財産について見てきましたが、最後に相続税の課税対象となる財産について解説します。
相続税の課税対象となる財産には、大きく分けて2つあります。

  1. 相続の対象となる財産
  2. みなし相続財産

前項で触れたように、契約や法律に従って支払われる死亡退職金や生命保険金は、民法では相続財産ではありませんが、相続税法では被相続人が死亡したことにより得られた財産とみなされます。
このような財産を「みなし相続財産」と呼び、他にも被相続人の勤務先から遺族に渡される香典や弔慰金(ちょういきん)も、一定額を超える場合は相続税の課税対象となる可能性があります。
ただし、死亡退職金と生命保険金については、500万円に法定相続人の数を乗じた金額を限度として非課税枠が設けられており、この非課税限度額を超えなければ税金はかかりません。

 

まとめ

相続の対象となる財産・ならない財産を正しく理解することは、相続手続きをスムーズに進める上で非常に重要です。
また、民法では相続の対象ではない財産でも、相続税法では相続税の課税対象となる財産があることで、遺産分割を行う際に影響を及ぼす可能性があります。
相続に関する問題は複雑なため、遺産分割や相続税に関する問題が生じる前に、専門家への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

故人の遺言などによって遺産を相続したものの、状況によっては相続税が支払えない可能性があります。
この記事では、相続税が支払えないときの対処法について解説します。

 

相続税が支払えないときの対処法

相続税が支払えないときには以下の方法で対処できる可能性があるので、詳しくみていきましょう。

 

延納・物納を活用する

「延納」とは、原則として相続税は現金一括納付ですが、一定の条件を満たすことで分割払いを認めてもらえることです。
延納できる条件は以下の4つです。

担保提供関係書類とは、財務省令で定められた担保の提供に関する書類です。
延納申請書とは、延納を求めようとする税額および期間、分納税額とその納期限、財務省令で定められた事項を記載した申請書です。
また、相続税を金銭で納付することが困難な場合は、相続財産の中から「物納」することも可能です。
ただし、「物納」する場合は以下の物と定められています。

物納する際には、相続人が保有する不動産や価値のある貴金属・骨董品などは認められないので注意してください。

 

遺産を売却して現金化する

相続税を支払えない場合は、遺産を売却して現金化する方法があります。
不動産や株などを売却すれば現金化できるかもしれません。
ただし、遺産分割協議で相続できたものに限定されるため、他の相続人の不動産などを売却することはできないので注意してください。
また、不動産はすぐに売却できるどうかは不明確であり、相続した時点の評価額よりも低額で売却することになるかもしれません。

 

金融機関からお金を借りる

遺産を売却できず現金化できない場合や売却してもお金が足りないときは、金融機関でお金を借りることも検討する必要があります。
例えば、代々継承されている土地や家であれば売却したくてもできないケースもあるでしょう。
その際は、状況に応じて金融機関などからお金を借りることもご検討ください。

 

相続放棄をする

遺産を相続することで相続税が支払えないときは、相続放棄もできます。
相続放棄とは、相続に関するすべての権利を放棄することです。
そのため、相続税が支払えないからといって判断を誤ると、結果的に損をする可能性があるので注意してください。

 

相続税を支払えない場合の注意点

相続税は原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に金銭で一括納付が義務付けられています。
そのため、納付期限までに支払えないときは、延滞税が課せられます。
また、延納や物納などの納付延長の許可を得た場合でも、納付期限までに支払えないときは利子税が加算されます。

 

延滞税

延滞税とは、税金が定められた期限までに納付されない場合、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課せられる利息に相当する税金のことです。
延滞税の税率は以下のように定められています。
納期限までの期間および納期限の翌日から2カ月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合が適用されます。
また、納期限の翌日から2カ月を経過する日の翌日以降については、年「14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合が適用されます。
延滞税特例基準割合とは、各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として、各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に年1%を加算した割合です。

 

利子税

利子税とは、延納もしくは物納、または納税申告書の提出期限の延長に係る国税については、その期間中に各税法上の規定により、その国税にあわせて納付する税金のことです。
利子税は以下のように定められています。

延納などに係る利子税は、第1回に納付すべき分納税額を納付する場合は、当該延納税を基礎とし、当該延納の許可を受けた相続税額の規定による納期限または納付すべき日の翌日から当該分納税額の納期限までの期間に応じて年6.6%を乗じて算出した金額に相当する利子税を納付しなければならない。
また、物納などに係る利子税は、当該物納に係る相続税額の規定による方期限または納付すべき日の翌日から規定により納付があったものとされた日までの期間につき、当該相続税額を基礎として当該期間に応じて年7.3%を乗じて算出した金額に相当する利子税を納付しなければならない。

 

まとめ

今回は、相続税が支払えないときの対処法について解説しました。
相続税には非課税枠があり、相続税の対象となる評価額に対して最低でも3,600万円の控除が受けられます。
相続税が支払えない状況は起こってほしくありませんが、相続税について不安や心配ごとを抱えているようであれば、税金の専門家である税理士に相談することをおすすめします。

相続が発生すると、相続人・相続財産の調査や遺産分割などさまざまな手続きが必要です。
相続手続きのひとつである相続税の申告には期限が定められているため、遅れると罰則があります。
今回は、相続税の申告期限、遅れた場合のペナルティを解説します。

 

相続税の申告期限

相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。
「相続の開始があったことを知った日」とは、被相続人が亡くなった日で、自己が相続人となった事実を知り得た日を指します。
ただし、孤独死や失踪など状況によっては亡くなった日を遅れて知ることもあり、ほかにも以下のようなケースが存在します。

 

相続税の申告期限日が土日祝日である場合

相続税の申告は、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署で行います。
しかし、10か月後の相続税の申告期限日が、土日・祝日で税務署がお休みの場合もあるでしょう。
その場合は、相続税の申告期限日は、後ろ倒しになり、休み明けの日が相続税の申告期限日になります。

 

相続税の申告期限の延長は原則認められない

相続の手続きには、相続人や相続財産の調査、遺産分割協議など多岐にわたるため、必要書類の収集に時間を要したり、相続人と連絡が取れなかったりなど思うように進まないこともあります。
相続税の申告期限を延ばせないのかと悩まれるでしょうが、原則として延長はできません。
しかし、どうしても間に合わない場合は一旦法定相続分で分割したことにする「未分割申告」を相続税の申告期限内に行います。
その際に、「申告期限後3年以内の分割見込書」の添付が必要です。
申告期限後3年以内の分割見込書を提出することで、遺産分割が確定後、先に行った申告を修正する手続き(修正申告または更生の請求)を行えます。

 

被災した場合の相続税の申告期限の延長措置

地震や台風などで被災し期限内の申告が困難になった場合、心に留めておきたいのが申告期限の延長措置です。
状況が落ち着いた段階で、所轄の税務署に相談することをおすすめします。

 

相続税の申告期限に遅れた場合のペナルティ

万が一相続税の申告期限に遅れた場合、以下のようなペナルティが課せられる可能性があります。
相続税の申告期限の通知書が自宅に届くわけではないため、申告期限をしっかり把握しておくことが大切です。

それぞれ詳しく確認していきましょう。

 

無申告加算税

無申告加算税とは、正当な理由なく、期限までに相続税の申告を行わなかった場合に課される税金です。
相続税の対象になると知らなかった、という故意ではない場合でも課税されます。
相続税の無申告加算税の税率は、どのタイミングで申告を行ったかにより変わってきます。

 

申告期限後に自主的に申告した場合

申告期限が過ぎたあとに自主的に申告を行った場合、追加納付した相続税額の5%が課されます。
ただし、申告期限が過ぎていても1か月以内に申告を行い、期限内に申告する意思があったと認められる場合には、無申告加算税が免除される可能性もあります。

 

税務調査の事前通知を受けてから、税務調査を受けるまでに申告した場合

税務署から税務調査の通知を受けてから、実際に税務調査が入る前に申告した場合、追加納付した相続税額の10%が課されます。
なお、追加納付額が50万円を超える部分に対しての税率は15%です。

 

税務調査によって無申告が発覚した場合

税務調査によって、無申告であると発覚してから申告した場合、追加納付した相続税額の15%が課されます。
なお、追加納付額が50万円を超える部分に対しての税率は20%です。

 

延滞税

延滞税とは、相続税の申告期限までに納付できなかった場合に課せられる税金です。
申告期限日の翌日から、実際に納付が完了した日までの日数に応じて課税されます。

 

延滞税の税率は2段階ある

相続税の延滞税の税率は、納期限の翌日から2か月をボーダーラインとして2段階に分かれます。
原則として「納期限の翌日から2か月までは年7.3%」となっており、「納期限の翌日から2か月経過した以降は年14.6%」です。
なおかつ、申告期限までに申告と納税のどちらも行っていない場合には、無申告加算税と延滞税の両方のペナルティが発生します。

 

まとめ

今回は、相続税の申告期限と、申告期限に遅れた場合のペナルティなどについて解説しました。
相続税の申告期限は相続があったことを知った日から10か月以内ですが、ほかにもやるべき相続手続きは多いため、余裕があるとはいえません。
相続税の申告期限に間に合うかどうか不安である場合は、税理士に相談することも検討してみてください。

近い関係の方が亡くなると相続が発生します。
遺産のわけ方を確定したり、相続税を支払ったりするには、まず相続財産の調査を行わなければいけません。
この記事では、相続財産の調査を税理士に依頼するメリットについて解説します。

 

相続財産の調査

相続とは、亡くなった方の財産を相続人が引き継ぐことです。
現金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も相続の対象です。
相続する財産の額が確定しないことには、相続放棄すべきかどうか、相続税の納税が必要かどうかの判断もできません。
なお、相続放棄の申請は、相続開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。
損をしないためには、正確かつ速やかに相続財産の調査を行わなければいけません。

 

相続財産の調査方法

相続財産は、その存在と価値をひとつずつ正しく確定していく必要があります。

まず遺品の中から手掛かりになるものを探し出し、その存在を見つけていきます。
預貯金や貴金属といったプラスの財産だけでなく、借用書などからマイナスの財産が見つかることもあります。

次に、その価値を確定させます。
預貯金の価値はそのままですが、不動産や貴金属などは適切な評価方法で評価しなければ価値を確定できません。
とくに不動産の評価方法は複雑です。
さらに相続財産に不動産が含まれる場合には、相続税の基礎控除額を超える可能性が高く、相続税の納税が必要になる可能性も高くなります。
正しく価値を評価することで、正しい納税額を計算できます。

 

相続財産の調査を税理士に依頼するメリット

相続財産の調査は自分自身でも行えます。
しかし税理士に依頼することで、財産の存在や価値を正確に調査でき、相続税の申告の際にも適切な額で申告できます。

 

相続財産の存在を正しく把握できる

故人が亡くなる直前に生前贈与した財産は、相続財産に含まれることがあります。
亡くなる前の贈与だからと相続財産に含めずにいると、相続財産額を誤って認識し、納税額を過小評価してしまう恐れもあります。
納税した額が本来の納税額よりも少なかった場合には、過少申告加算税や延滞税などの納税が必要になります。

また相続税の申告には財産目録の添付が必要です。
財産目録とは、相続財産の情報をまとめた書類です。
通常、財産目録は相続財産の調査後に作成しますが、税理士であれば財産目録に記載される財産の知識があり、それを基に財産の調査を行えます。
このように税理士に相続財産の調査を依頼することで、見落としがちな財産も発見しやすくなります。

 

相続財産の価値を正しく評価できる

財産評価基本通達により、相続財産には評価基準が設けられています。
ただし、この通達によって評価することが不適当な場合には、この基準を採用しなくても良い場合もあります。
それぞれのケースにおいて適切に判断するためには、相続に精通した税理士に依頼すると安心です。

とくに不動産の評価額は条件によって大きく変わることがあります。
通常、不動産の価値は、路線価や固定資産税評価額を用いて計算します。
しかし土地の形が歪であったり、道路に接している部分が狭かったりすると、価値が下がる可能性があります。
それぞれの条件に応じて補正率が変わるため、計算はケースバイケースであり複雑です。

 

相続に関する特例を正しく適用できる

相続税に関する特例が存在します。
特例を適用することで大きな節税効果が期待できます。

たとえば小規模宅地の特例が適用されると、不動産の評価額が減額されます。
また相続する土地の広さや用途などの条件によって、減額される割合も変わります。
条件は複雑であり、特例が適用されるのか、どの条件に当てはまるのかといった判断は簡単ではありません。
しかし税理士が相続財産の調査を行うことで、適切な特例を漏れなく適用でき、無駄なく納税できます。

 

面倒な手続きを一任できる

相続財産の調査が終わり、納税の必要性が明らかになってから税理士へ依頼することもあるかと思います。
しかし財産の調査から税理士に依頼することで、面倒な手続きをすべて税理士に任せられます。

相続財産の調査では、金融機関での調査など、平日の日中に動かなければならないこともあります。
時間を取ることが難しい場合には、すべて税理士に任せてしまった方が良い可能性もあります。
とくに不動産を相続する場合など、基礎控除額を超えることが明白な場合には、相続税の計算や申告と合わせて財産の調査も依頼することで、負担を軽くできます。

 

まとめ

この記事では、相続財産の調査を税理士に依頼するメリットについて解説しました。
相続財産の調査は自分で行うことも可能ですが、財産が多い場合や不動産が含まれている場合には非常に難しくなります。
しかし税理士に依頼することで、正確かつ速やかに調査できます。
相続財産の調査や相続税の申告は税理士にお任せください。

相続が発生した際、最初に行うべき重要な手続きの一つが相続人の調査です。
誰が相続人に該当するかを正確に把握しなければ、遺産分割協議や相続税の申告手続きが進めることができません。
しかし、相続人の調査は思った以上に複雑で、慎重に行わなければ思わぬトラブルを招くことがあります。
そこで、本記事では、相続人を調べる方法と、自分で調査する際の注意点について解説します。

 

相続人を調べるための基本的な手順

相続人の調査は、主に以下の手順で進めます。

 

被相続人(亡くなられた方)の戸籍謄本を取得する

相続人調査を行う際はまず、被相続人の戸籍を取得する必要があります。
相続人を確定するためには、被相続人の戸籍謄本を遡って調査する必要があります。
この際、出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要となります。
戸籍の種類には、現在戸籍や改製原戸籍などといったさまざまな種類があり、相続人調査を行う場合は、一種類だけではなく、複数の種類の戸籍を取得する必要があるため注意が必要です。
また、戸籍謄本は広域交付制度により、最寄りの市区町村役場で取得できますが、過去の戸籍は手書きのものも多く、解読に時間がかかる場合があります。

 

家族構成を確認する

次に、家族構成を確認します。
上記のように取得した戸籍謄本を基に、被相続人の家族構成を確認します。
配偶者、子供、親、兄弟姉妹など、法律で定められた法定相続人の順序に従い、誰が相続人となるかを特定します。
相続人の順位としては、まず、配偶者は常に相続人となります。
そして、子どもがいる場合は、配偶者とともに、相続人となります。
子どもが被相続人の死亡よりも前に既に亡くなっている場合、その子供(被相続人の孫)が代襲相続します。
そして、子もおらず、子の代襲相続の対象である被相続人の孫もいない場合は、被相続人の親や祖父母といった直系尊属、兄弟姉妹の順に相続人が確定します。

 

特別なケースの確認

最後に、今回の相続人に、特別に相続人に該当する者がいないかを最終確認します。
特別なケースの例としては、認知した子や、養子縁組を行い、子となった者も相続人に含まれます。
したがって、認知や養子縁組をしたというような事情がある場合には、相続人となる者が増える場合があるため、注意が必要です。

 

自分で相続人を調べる場合の注意点

相続人の調査は自分で行うことも可能です。
その際には、以下の点に注意する必要があります。

 

戸籍の収集に漏れがないか確認する

一点目は、戸籍の収集に漏れがないかを確認する必要があります。
相続人を確定するには、被相続人の出生から死亡までの戸籍がすべて揃っていることが必要です。
一つでも抜けがあると、相続人に漏れが発生するケースがあり、相続人が確定しません。
特に、転籍や婚姻に伴う改製原戸籍の取得を忘れるケースが多いので注意が必要です。

 

複雑な家族構成に注意

次に、複雑な家族構成の場合に注意が必要です。
再婚や認知した子供、養子縁組など、家族構成が複雑な場合、戸籍を確認するだけでは相続人を正確に特定できないことがあります。
このような場合は、専門家の助けを借りることを検討しましょう。

 

法律上の知識を調べる必要

次に、財産調査を自分で行う場合の注意点として、法律上の知識を調べる必要があります。
相続に関する法律は複雑で、相続人の範囲や優先順位を誤解するとトラブルに発展する可能性があります。
例えば、代襲相続のケースでは、誰が代襲相続人となるかを正確に理解する必要があるため、注意が必要です。

 

時間がかかる

相続人調査を自分で行う場合、時間を費やしてしまう点にも注意が必要です。
自分で戸籍を集める場合、各役所を訪れる手間や郵送でのやり取りに時間がかかります。
また、取得する戸籍の数が多い場合、戸籍の申請を何度か繰り返す必要があるため、注意が必要です。

 

専門家に相談するメリット

相続人調査は自分で行うことも可能ですが、専門家に依頼することで以下のメリットがあります。

 

確実で正確な調査

相続人調査を税理士に依頼することで、漏れや誤りのない調査により、正確な調査を行うことができる可能性が高まります。
特に複雑なケースでは専門的な知識が必要なケースが多いといえます。

 

時間と労力の節約

相続人調査を税理士に依頼することにより、時間と労力を節約することができます。
専門家が戸籍の取得から相続人の特定までを代行してくれるため、ご自身で手続きする時間と労力を大幅に節約できます。

 

まとめ

本記事では、相続人調査の方法と、自分で調査を行う場合の注意点について解説しました。
相続人の調査は相続手続きにおいて最初に行う作業であり、非常に重要といえます。
しかし、自分で調査を進める場合には、戸籍の収集や法律知識の不足によるミスが起きやすく、結果的にトラブルや手間を増やしてしまうこともあります。
そこで、相続人調査を行う場合は、税理士に相談することをおすすめします。