税理士法人森田事務所 > 記事一覧 > 車の相続税はいくら?計算方法や手続きについて解説
家族が亡くなった際、残された車をどのように扱えばよいか迷う方は少なくありません。
古い車だから価値はないだろうと考えてしまうかもしれませんが、車も現金や不動産と同様に立派な相続財産の1つであり、相続税の課税対象となります。
本記事では、相続税を算出するための3つの評価方法や、車の相続を行う際の手続きについて解説します。
車も預貯金や不動産と同じく、相続税の課税対象となる財産の1つです。
相続税は車単体にかかるものではなく、車を含めたすべての遺産総額から基礎控除額を差し引いた残りの金額に対して、規定の税率を掛けて算出します。
たとえば、時価200万円の車を相続した場合、その200万円が他の財産に加算されることになります。
高級車や希少価値の高い旧車などを保有している場合は、評価額が大きくなり税額に影響を与えることもあるため、まずはその車の正しい価値を把握することが重要です。
車の相続税を計算する上で、車の価値をいくらとして見積もるかは非常に重要なポイントです。
基本的には、相続が開始された時点、つまり被相続人が亡くなった日の時価で評価します。
国税庁の指針に基づき、主に以下の3つの方法で評価額を決定します。
売買実例価額とは、同じ車種、年式、走行距離の車が中古車市場において、実際にいくらで取引されているかを基準にする方法です。
インターネットの中古車販売サイトなどを活用し、同等の条件の車がいくらで販売されているかを確認し、その価格を参考にします。
ただし、販売価格には販売店の利益が含まれているため、それらを考慮した買取価格に近い金額を基準とすることが一般的です。
客観的なデータとして扱いやすいため、多くの申告で採用されている方法です。
精通者意見価額とは、その分野に詳しい専門家による査定価格のことです。
具体的には、中古車買取業者やディーラーに依頼して出してもらった査定書の金額を指します。
特に高級外車やクラシックカーなど、市場での取引例が少なく一般サイトでは適正価格の判断が難しい車両については、精通者意見価額が採用されることが多くあります。
複数の業者から査定を取り、その査定書を保管しておくことで、税務署に対しても正当な評価根拠として示すことができます。
購入してから間もない新車に近い状態の車などの場合、購入価格から経過年数に応じた減価償却費を差し引いて計算する方法もあります。
自動車の耐用年数に基づき、購入から亡くなった日までの期間分の価値の減少を計算して算出します。
ただし、中古車市場での価格変動が激しい場合や、走行距離が極端に多い場合などは、実態と乖離することがあります。
そのため、基本的には売買実例価額や精通者意見価額を優先し、それらが算定しにくい場合の補完的な方法として採用されることが一般的です。
車を相続した際には、税金の申告とは別に、法律上の所有者を変更する手続きが必要です。
名義変更を行わずに放置すると、その後の売却や廃車、さらには車検の更新や保険金の請求において大きな支障をきたすことになります。
以下の手順に沿って、速やかに手続きを進めましょう。
まずは、その車を誰が相続するかを決定します。
遺言書がある場合はそれに則る形で、ない場合は相続人間での協議を通して決定されます。
ただし、車の価値が100万円以下である場合には、手続きを簡略化できる場合があります。
この段階で、新所有者となる人が車庫証明をあらかじめ取得しておく必要もあるため、誰が車を引き継ぎ、どこで保管するのかを明確にしておかなければなりません。
相続人が決まったら、新所有者の住所を管轄する運輸支局で名義変更の手続きを行います。
必要書類は多岐にわたり、具体的には以下のようなものが必要となります。
もし管轄の運輸支局が変わる場合には、ナンバープレートの変更も必要になり、別途作業が必要となります。
書類に不備がある場合には、原則として受理されないため、事前に運輸支局のホームページ等で必要書類を細かく確認しておくことが大切です。
名義変更と並行して必ず行わなければならないのが、自動車保険の手続きです。
名義が亡くなった方のままだと、万が一事故を起こした際に保険金が正しく支払われないリスクがあります。
記名被保険者を実際に運転する相続人に変更するとともに、契約者名義も修正しなければなりません。
また、等級を引き継げるかどうかは、亡くなった方と新所有者の関係性によって決まります。
無保険の状態にならないよう、名義変更が終わるのを待たずに、早めに保険会社へ連絡して手続きの進め方を確認しておきましょう。
車の相続は、適切な評価額の算出から始まり、運輸支局での名義変更、保険の手続きまで、やるべきことが数多く存在します。
特に評価方法の選択を誤ると、本来よりも高い相続税を支払うことになったり、逆に過少申告を指摘されたりする恐れがあります。
まずは中古車買取店などで査定を受け、正確な価値を把握することからスタートしてください。
手続きの複雑さや、他の遺産との合算による税額計算で不安がある場合は、専門の税理士までご相談ください。